シルビア通信1 >> 小ネタ >> あいつに!アタック! >> 第2話 |
「わからない! 教えてクリ子」 告白してから2週間。あいつからは何の音沙汰もない。 「ほんっと、男の気持ちってわからない!」 わたしはブーたれながら、家の庭先でひとり地獄突きの練習をしていた。いつかこの手刀で アブドラ・ザ・ブッチャーの首を壊してみたい――そんな夢物語を思い浮かべながら。 「ハミ子、電話よ。クリ子ちゃんから」 地獄突きが2万回に達しようかというころ、ママが子機を持ってクリ子からの電話を教えに来てくれた。ママは子機を窓からわたしに手渡すと、慌しく居間へと消えていった。また今日もわら人形作りに没頭しているんだ。ほんっと、ママって物好きね☆ 「はい、もしもし」
そう言うとクリ子は改まって話し出した。 「あのね、あんたさ……音島に告白したらしいじゃん?」
クリ子はちょっとだけ寂しそうにそう言った。 正直、いつまで経っても返事をくれない隆志への苛立ちと、ドリームキャストの生産を打ち切ったセガへの腹立たしさとで、親友へ大切な報告をするのを忘れていた。あー、もう、わたしのバカ! 「ゴメンねクリ子……」
わたしは全部をクリ子に話した。隆志がぜんぜん返事をくれないこと、返事が気になって受験勉強に集中できないこと、セガがドリームキャストの生産を打ち切ったこと。 「そっか……。そのなんて言うか、ハミ子ってさ、その、ちょっとSの気があるじゃない?」
ありがとうクリ子。なんだかわたし元気が出てきたよ。もう一度隆志と会って、きちんと返事聞いてみるよ。そして、きっとあいつのこと振り向かせてみせる。 この地獄突きでね! 「もしもーし……」 (つづく) |
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