どうも皆様はじめまして。
今回、この食わず嫌いを克服するというテーマで講師を勤めさせて頂くことになったミッチェル佐野です。よろしくお願い致します。
私には5歳になる息子がひとりいまして、まぁ、お子様を持つ親御様ならおわかりになると思うのですが、食べ物に対する“好き嫌い”というのは子育をする上に於いて避けることのできない悩みであります。
多くのお母様方がそうであるように――私や、私の母親もそうでした――自分の子供が「食べたくない!」なんておかずを残すと、「コラ! 残しちゃダメでしょ!」とついつい声を張り上げて叱ってしまう。
子供の健康を考えてのことなのですが、これは意味のないことでして、子供の意思に反して無理やり嫌いなものを食べさせたとしても、それはお子様が嫌いな食べ物を克服したとは到底言えません。かえってその食べ物をより嫌いになる恐れがあり、嫌いな食べ物を“嫌なもの”へと押しやってしまいかねないのです。
嫌いな食べ物を克服するには、まず“自分の意志で食べる”という心の動きが非常に重要なのです。これを忘れないでください。
・自らの意志で進んで食べさせるにはどうするのか?
空腹は最良の調味料である――有名な格言ですね。
遭難した船乗りが生き残るために同僚の人肉を食べたという有名な「ひかりごけ事件」からもわかるように、空腹という2文字の前に人間は無力です。そして、それまでに築き上げられた価値観を破壊する力をも持っています。極限の空腹下に置かれた人間にあるのは「好きか? 嫌いか?」ではなく「食えるか!? 食えないか!?」なのです。
これを使わない手はありません。
まず、お子様が「僕、ピーマンなんか食べたくない!」と駄々をこねられたその日から2週間、お子様の食事にはペットボトルに入った水1本以外与えてはいけません。「ママー、僕おなかが減ったよー」というお子様の台詞に目頭が熱くなるでしょうが、そこはお子様の為にも心をボッキしたチンポのように固くしてください。
さて、2週間も経ちますとお子様は水すら飲めないほどに衰弱なされていることと思います。口にすることと言えば、うわ言のように「ラーメン……ハンバーグ……」。ここでお子様の目の前にピーマンを差し出してみましょう。
先にも書いた通り、極限の空腹下に置かれた人間にあるのは「食えるか!? 食えないか!?」です。1週間前とは見違えるような(そう、まるでハイエナのような)食べっぷりでピーマンをむさぼるはずです。
そしてお母様に向かって、満面の笑み(そう、まるで菩薩のような)でこう言うことでしょう。
「ママ、ピーマンをもっとください……」
食わず嫌い克服大作戦。どうぞ皆さん、大いに活用してください。