かつてのテレビ放送では、画面全体にアナログ時計の画像が映し出され、正時になると、「ポーン」という効果音が鳴った。
最近はこの時報は放映されていない。テレビの時報がなくなっても特に実害はないだろうが、一体なぜなのか。
それは、テレビ放送のデジタル化のためだ。デジタル化により、画像も音声も美しくなったのは良いが、従来の方式で正確に時報を知らせることが出来なくなったからだ。
デジタル放送は、圧縮して送信した画像と音声を、受像機に内蔵されたコンピュータで復元する仕組みだが、この際に、2秒前後の遅延が発生する。
このような遅延が生じるため、テレビ画面に正確な時刻が表示されるとは限らず、あえて時報を表示していないのだ。
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