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遠山丸
 遠山森林鉄道は、長野県下伊那郡南信濃村と上村(現・飯田市)で運行されていた、森林鉄道の名称である。

 最盛期には総延長36.5キロの路線があったが、道路が整備されてトラックが木材の輸送を担うようになり、昭和43年に廃止が決定された。

その後も軌道を縮小しながら、民間業者らによって運営されていたが、昭和48年に軌道が完全撤去され、33年間に及ぶ歴史に幕が下ろされた。

 遠山の象徴であり誇りでもあった森林鉄道を、40年ぶりに復活させようと、平成23年1月「夢をつなごう遠山森林鉄道の会」が発足。地元のほか、東京・愛知・大阪などから森林鉄道に思いを寄せる人たちが参加し、廃線後に近隣住宅で屋根の重しに使われていたレールを回収したり、軌道に敷く砂利や枕木用の材木を地元企業から譲り受けるなどして、復元作業が始まった。

 最終的には、総延長500メートルのレール敷設を目指すとしており、森林鉄道が活躍していた頃の活気を取り戻そうと、夢をつなぐ作業が進められている。

夢をつなぐ遠山森林鉄道の復元
遠山森林鉄道、みんなで復元 飯田の住民ら17日に作業

 遠山郷と呼ばれる飯田市南信濃、上村両地区で木材搬送などに活躍した遠山森林鉄道の復元に取り組む「夢をつなごう遠山森林鉄道の会」は17日、レール設置や機関車修復などの作業を南信濃木沢の多目的施設「梨元ていしゃば」で行う。

 午前9時半には復元中の線路でディーゼル機関車を動かし、懐かしい姿を集まった人たちに披露する計画。レール設置などに協力するボランティアの参加を呼び掛けている。

 森林鉄道のかつての総延長は約30キロ。南アルプスの山林から切り出された木材の運搬を担っていたが、林業の衰退に伴い1973(昭和48)年に廃線となった。昨年1月から、幼いころに鉄道に親しんだ住民らが中心となり、復元作業に取り組んでいる。国道152号沿いにある梨元ていしゃば敷地内に復元されたレールの長さは約85メートルに上る。

 当日は梨元ていしゃばで午前8時~午後3時にレールの設置作業などをする。参加者は作業着や手袋、弁当を持参する。同会事務局の菅原槙一さん(38)は「当日はみんなで楽しみながら作業をしたい」と話している。

 雨天中止。参加希望者は遠山郷観光協会(電話0260・34・1071)に申し込む。作業終了後、会費制(1,500円程度)の懇親会もある。

信濃毎日新聞(2012年11月6日掲載)
ツアーは続くよ…旧遠山森林鉄道 ガイド育成へ学習会

 飯田市南信濃の旧遠山森林鉄道(延長30.5キロ)の一部復元に取り組む有志らが21日、11月に開かれる軌道跡のウオーキングツアーを前に住民向けの現地学習会を開く。

 メンバーにはかつて同鉄道の保線作業に携わった人もいる。実際に軌道跡を歩きながら、国有林の木材搬出などで活躍し、1973(昭和48)年に廃線となった同鉄道の生きた歴史を伝授する。

 ウオーキングツアーは、2005~13年に住民有志でつくる木沢地区活性化推進協議会が開いていた。県内外の鉄道ファンらを中心に定員を上回る人気ツアーだったが、担い手の高齢化で休止。これを惜しんだ市地域おこし協力隊員の藤木康平さん(28)が昨年、遠山郷(飯田市上村、南信濃)の里山歩きなどを楽しむ「遠山里山倶楽部」の一環として南信州観光公社主催で復活させた。

 21日の学習会は、ツアー定着を目指し、ガイド育成を目的に開く。ツアー本番と同様に山中の軌道跡の片道5.4キロを歩く予定。

 森林鉄道の周回レール(全長350メートル)と機関車を復元している「夢をつなごう遠山森林鉄道の会」のメンバーで、営林署職員として同鉄道の保線に関わった住民や、ウオーキングコースの解説書を作った同協議会の有志を招いて、地元の若手を中心に歴史やコースの見どころを学ぶ。

 「森林鉄道を伝えてきた地元の人の熱い思いに触れてもらい、魅力を再発見してもらいたい」と藤木さん。「若手がツアーの案内役となることで、地域と参加者の交流が生まれるツアーに育てたい」と意気込んでいる。

 11月11日のツアーは午前7時15分に梨元ていしゃばに集合。この日は、梨元ていしゃばで、夢をつなごう遠山森林鉄道の会がレールなどの整備作業も行うことになっており、住民と参加者とが交流を深める。8日までに申し込む。定員約30人。参加費2千円(軽食、保険代を含む)。

 ツアーの問い合わせは飯田市上村自治振興センター(電話0260・36・2211)へ。

信濃毎日新聞(2017年10月17日掲載)