校長室より

令和5年度3学期始業式 校長の話

 新しい年が始まりました。1月1日の夕方、能登半島地震が発生しました。小さな子どもも含めて、たくさんの方の命が失われました。次の日には航空機の事故があり自衛官の命が失われました。報道によると、航空機の事故ではキャビンアテンダント客室乗務員の方々の訓練と適切な判断、「荷物は持たずに姿勢を低くして」といった指示やどの非常口を開けたらいいのかの判断により乗っていた人全員の命が助かったそうです。
 私は改めて、自然の力の大きさ、辛いことが起きた後にどう頑張るか、自分で考えて判断する力の大切さなど、いろいろなことを考えるお正月でした。みなさんもいろいろなことを感じていると思います。その感じたことを、自分の生きる力にしてください。
 今日は「地獄と極楽」というむかし話をします。
 ある日、お釈迦様が地獄にいる人たちの目の前に、ごちそうをいっぱい並べ、この三尺三寸の箸を渡しました。ごちそうはこの箸を使って食べることが条件です。地獄の人たちはこの箸を奪い合い、ごちそうを食べようとします。ところがどうでしょう。誰もが必死に挑戦するのですが、口にごちそうは運べません。やがて、地獄の人たちは痩せて、目がぎょろっとした鬼のような顔になっていきました。
 お釈迦様は、極楽でも同じように箸を渡してごちそうを並べました。するとどうでしょう。極楽の人たちはみんな、ごちそうをお腹いっぱいに食べることが出来ました。極楽の人たちは正面に座っている人に、この箸で「どうぞ」と言って食べさせ、食べさせてもらった人は「ありがとう」と言って、今度は違う人に食べさせていたのです。自分のことより先に相手のことを考えて行動したのですね。
 自分のいる場所を極楽にするか地獄にするかは自分の心が決めるのです。自分の事ばかり考えていたら、その人がいるところは地獄です。周りの人を喜ばせようとする人がいるところは極楽です。周りを幸せにするから、いずれ自分も幸せになります。学級でも同じです。「どうぞ」「ありがとう」の気持ちを忘れないで生活していくと、その学級は極楽のような、みんなが満足できる学級になるんですね。
 さあ、3学期がスタートしました。寒く空気が乾いている日が続きます。うがい手洗い、換気を習慣にしてください。そして、この3学期は、4月に進級・進学する学年・学校を思い浮かべて、1年生だったら2年生になったつもりで、5年生だったら6年生になったつもりで生活してみてください。もう進級・進学できる力がついているはずです。試してみてください。

(令和6年1月9日 3学期始業式にて)

令和5年度2学期終業式 校長の話

 8月22日に始まって84日間、学校に通った2学期が今日で終わりになります。行事を中心に2学期を振り返ってみましょう。
 まずは6年生が素晴らしい修学旅行を実現させました。しっかり学習を重ねてきました。これからも東京に行くことはあると思いますが、この仲間で行くことが出来て良かったですね。
 1年生はやまゆり公園への遠足に行くことができました。遊具の高いところまで登った人がいたのですね。
 2年生は乗り物遠足に。しなの鉄道、JR小海線を乗り継いで、佐久市子ども未来館に行きました。
 3年生はT先生と学級目標をかなえるために学級会で勉強しました。消防署の見学にも行ってきましたね。
 4年生が蒔いた小麦は来年の給食に出ますよ。水道の仕組みを勉強しました。カーリングも楽しかったですね。
 5年生はわすれ米の稲刈りから脱穀、たくさんのお米が取れて、収穫祭もみんなの力を合わせて、おいしいお餅をつくことが出来ました。
 そして、二学期の大きな行事は、やはり音楽会でした。その演奏はどの学年も大変素晴らしいものでした。すごい!って感じさせてくれました。音楽会当日はもちろん、それまで練習している皆さんと先生方の姿にすごさを感じました。やっぱり、皆さんが「夢中になって取り組んでいる姿」は、見ている人を感動させる力があります。
 さて、明日から年末年始のお休みになります。みなさんにお願いしたいことが三つ。一つ目は交通事故に合わないこと。自転車に乗るときはヘルメットを必ずかぶってください。二つ目は健康。夜更かしする日があるかもしれませんが、早寝早起きを続けて、おいしい物をおいしくいただいてください。三つ目は協力。地域の行事に参加したり、家の大そうじで働いたりしてください。「あなたがいてくれて助かった」と言われるくらい頑張ってください。3学期に皆さんの笑顔に会えることを楽しみにします。

(令和5年12月25日 2学期終業式にて)

令和5年度2学期始業式 校長の話

 いよいよ今日から2学期が始まりました。きっと、多くの皆さんが自分の立てた夏休みの目標に向けて努力をしたことと思います。休みが終わり、無事に登校してくれた皆さん一人一人に感謝をします。交通安全の約束を守ってくれて、ありがとうございました。2学期も登下校中に事故に遭わないように、自転車で交通事故に遭わないように心がけていきましょう。
今日は挨拶の話をします。「挨拶」は、私たちが気持ち良く生活する上で欠かせないものです。例えば、1時間目の授業のチャイムが鳴った途端、先生が教室に入ってきて、挨拶もせずに、いきなり教科書を読み始めたら…と考えてみてください。授業を始める前の挨拶は、授業をする先生と子どもたちがお互いに「ちゃんと、そこに、あなたがいる」ということを確認する大切な行動です。
 ただし、全ての挨拶が「おはようございます」というような言葉掛けだけではありません。お辞儀という腰をかがめる動作も挨拶なら、低学年がよくやっているハイタッチも挨拶です。
 外国では、例えば、ニュージーランドのマオリ族では鼻と鼻を合わせる、という挨拶もあります。これらに共通するのは、相手との信頼関係を高める、相手のことを大切に考える、ということです。本校の皆さんは大丈夫ですね。1学期の一年生を迎える会でも、学年毎に分かりやすく学校生活の紹介をしてくれたり、素晴らしい校歌で出迎えてくれたり、できましたね。これらも全て立派な挨拶です。
 2学期も皆さんが友だちと力を合わせたり、問題を解決しようとしたりする中で、簡単にはいかないけれど、粘り強く、コツコツと一生懸命に続けていくことで大きな成長が得られることを楽しみにしています。

(令和5年8月22日 2学期始業式にて)

令和5年度1学期終業式 校長の話

 今、日本の将棋の世界で最年少記録を次々と塗り替えている藤井聡太さん。「藤井聡太さんは天才だ!」なんて言う人もいます。皆さんも藤井さんのような「名人」になれるでしょうか?
 藤井聡太さんは小学2年生の時に将棋の大会に出るのですが、負けてしまいます。負けると必ず大泣きしていました。大泣きするくらい負けず嫌いだったそうです。そして、大の鉄道好きで、電車の運転手になりたいと思ったこともあるそうです。
 高学年になっても将棋が大好きで、卒業文集には「将棋の横綱になる」と書きました。とにかく将棋好きで、家に帰ったら、将棋に集中したいから宿題はサッとやってしまいました。あるとき、担任の先生にこんなことも言いました。「5分で分かることを45分しゃべる先生たちはダメだよ」 すると、先生は「でもね、5分で分かる聡太さんみたいな人もいれば、2時間かけても分からない子もいるから、先生たちはその時によって、合わせる基準を変えているんだよ」と説明しました。すると、藤井さんはすぐに納得したそうです。
 中学2年生のとき、将棋のプロになりました。プロにはなったけれど、先輩たちに負けてばっかり。負けるたびに戦いを振り返って考えました。PCのAIを使っていっぱい練習したそうです。学校では、授業に集中して身体が前のめりになっていたそうです。その後、有名な先輩たちに勝って、29連勝をします。破れた先輩たちは藤井さんの強みは「あきらめずに考えるところだ」と言っています。あきらめずに考える、集中して考える時には、脳がすごくたくさんのエネルギーを使うのです。集中力を生み出すエネルギーの量はすごく多くて、将棋の名人は、ずっと座って考えているのに、一回の対戦で体重が2~3㎏減るそうです。
 だから、藤井さんは集中して考えるためのエネルギーになる食べることを大切に考えているのです。ニュースでもおやつや食事のことが取り上げられています。
 さあ、皆さんと藤井名人の共通点はありましたか?将来プロを目指している人、一流や名人と言われることを目指している人はこれらのことを参考にしてみてください。そして、これからも自分があこがれる人や事にチャレンジしていきましょう。

(令和5年7月25日 1学期終業式にて)

令和5年度1学期始業式 校長の話

 春の陽ざしを受けて、たくさんの植物が花を咲かせています。新しい一年が始まりました。一つ学年が上がり新しい学年の始まりです。
 二年生は、先生のお話をよく聞くことができます。新しい一年生のお兄さん、お姉さんとして頑張りましょう。 三年生は、新しく社会科、理科、総合的な学習が始まります。町中を歩いて新発見をしてください。 四年生は、交差点で手を挙げて交通安全できる人がたくさんいます。交通安全、防災訓練、命に関わる学習を協力して進めてください。 五年生は、新しいクラスで新しい仲間や先生と登山やキャンプが楽しみです。 六年生は、学んだことを発表する力があります。その発表力を生かして御代田南小学校の願い「夢を育む、子どもが主役」の学校づくりをリードしてください。みなさんが力を発揮するのを期待しています。
 さて、令和5年度の皆さんがつくりだす学校生活で大切にしてほしいことをお話しします。
 一つ目は勉強を頑張ること。頑張るためには自分が好きなことに気づいて、好きなことに関係づけて勉強することが大切です。好きなことが同じ友だちに出会えたら、ライバルになって競ったり、協力して問題解決したりしましょう。そうすることが自分をレベルアップ、進化させることになります。
 二つ目は「やさしく、あたたかく」です。クラスの一人一人は個性があってみんな違うからこそ、一緒に力を合わせると楽しくなります。どの子もこのクラスで良かったという思いを持てるよう、互いに優しく、温かく接していきましょう。
 三つ目は三つの「あ」。これが一番大事です。「あんぜん、あいさつ、あとしまつ」です。
 「あんぜん」は病気、ケガ、事故にあわないように気をつけることです。
 「あいさつ」ではレベルがあります。レベル1は「挨拶されたら返すことが出来る」レベル2は「明るい挨拶が出来る」レベル3は「目を見て挨拶が出来る」レベル4は「相手より先に挨拶できる」そして、最高のレベル5は「挨拶した後に一言加えることが出来る~おはようございます。今日はいい天気ですね~」みたいな感じです。皆さんの現在のレベルはどこでしょうか。
 そして、「あとしまつ」は掃除や整理整頓などをきちんとすることです。今年も皆さんに協力して欲しい後始末は、下駄箱のある昇降口の扉を閉めることです。休み時間の終わりに開けっ放しだと、授業時間に不審者も入りやすくなります。昇降口の扉が開いていることに気づいたら閉めることにみなさんの力を貸してください。
 それでは、みなさん、この一年、全学年、全員が力を出し合って、楽しい学校になるように頑張りましょう。

(令和5年4月6日 1学期始業式にて)