4月12日(土)・・・・第5日目(室戸市→中村市)
さすがに遍路さんたちの読経は息があってすばらしい
一夜明けても雨の音が、機織工場の如くにぎやかに絶え間ない。

6:00/読経
 階上の間は雨天なのに飛び切り明るい。晴れていたら、どこまで視界が開けるでしょう。法話のあとの世間話もおもしろい。弘法大師の七不思議のお話も天文・地学と結び付けられたのもうなずける。
 石でたたくと鐘のような音がする“鐘石”は安山岩、その音は地獄まで届くとは、地勢と地質か。室戸の風景はスケールが大きすぎて、私のカメラには収まらぬ。
 食事をご一緒した神戸在住高知生まれの岡田さんと別れる。

今日は、いとこの千枝子さんに会える。
 「今どこ?」
 「室戸岬のホツミサキジの駐車場」
 「10時30分頃道の駅やすに着く予定です」
  ・・・・と伝えて宿坊を出発した。

7:30/加領郷 雨の車中で藤の花を撮影
8:20/未来まで加領郷の町美しく

8:25/雨のくろしお街道をひた走り
こうもりの大輪咲く竹林寺


「名勝琵琶の滝」
“昔遊び琵琶うつ音にたたへつつこの滝の端の名におぼせけむ”

鹿村持雅澄の歌碑

 琵琶の滝入り口は草木が生い茂って道が細く、バイクがとめてなければ見つからないほどです。琵琶の滝って、幾つもあるのかな。恥ずかしながら、わたしも一句。


「くさむらにつばきの花咲くびわの山道」

「道を教えた琵琶村のひと軽トラの助士席にたけのこ乗せて去り行く」
字余り
 

9:15/奈判利(なはり)駅の物産館
 欲しいものがない。自販機でオロナミンCを買って飲む。
 道の駅「キラメッセ室戸」「大山」の二つがまだ開店時刻にならず、寄る事が出来なく残念。

9:50/竹林山神峰寺
空海の風景
 4キロの道は細くてくねくねの坂道。ここも空海の風景でした。ここでは「空海の風景」と五文字で省略させてください。
いとこの千枝子さんと別れる時は、つい涙ぐむ
従妹の千枝子さん 桂浜
12:35/五台山竹林寺
 ぼたんの蕾に、雨よけのこうもりがさしかけられてあり、庭園にこうもりの大輪が咲いて見事でした。市内のハリマヤ橋を見て桂浜へ行く。ドッドッと胸がたかまり、それは太平洋の波の打ち寄せる音と一つになった。この音を聴く土佐の人はいたたまれないだろうな。

14:15/千枝子さんと別れる
 千枝子さんとの4時間の語らいの一部始終を記せば、1冊の本にもなるだろう。千枝子さんが高知へ嫁いだいきさつから、いとこたちの消息。

 暮れに末期がんの手術をして命拾いしたとはいえ10歳も年下なのに。では、これでとさよならの握手をして思わず涙ぐむ。

中村市でパニック!
 教えられた黒潮ラインを中村市に向かう。ハンドルを握る手が汗でベタベタする。

15:40/給油そして須崎のローソンでヨーグルトとCCレモンを買う
 西日が暑い。クーラーを最強からゆるめる。

16:00/道の駅「かわうその里」
 もう1時間ほどで中村市に着く。やっとのことで中村の駅前に着く。迷って迷って、方角オンチになり,パニックに陥ってしまった。中村駅には客待ちタクシーが3列に並んでいる。最後尾の運転士さんに、ホテルまで誘導を頼んだが、地図を書いて教えてくれるという。

 実は地図を見ながら中村市に入ってから四万十川に沿って登ったり下ったり、橋をわたって登ったり下ったり、市内を通り抜けたり、回ったり、あせってしまいました。泣きべそをかかなくても、一休みして気持を落ち着ければよかったのです。

 親切な運転士さん2人がかりで車から降りて、てまねきで誘導してくれた。「この信号を抜かして3っつ目の信号の両側にスタンドがあるからその信号を左に曲がって6っつ目の信号の左に見えるのが中村プリンス」と教えられたことを忘れないように、叫びながら信号の下を通り抜けたら指折りし、ことなく到着。

 連日の運転で、おしりが床ずれしたのかかゆい。ホテルの車庫で散らかった車内から地図や着替えを取り出すのに手間取り、フロント係りさんを待たせてしまった。

 夕食では“さっき泣いたカラス団子食って黙った”という次第。困った時、自分はどう対処するか知りたいのも、旅の目的でしたのに。

 お客は数名で空きテーブル多し。4人掛けテーブルに所狭しと料理を運んでくれる。グラスビールはないけれど小ビンでよければということで。ビールのおいしかったこと!いっきに上機嫌饒舌になる。フロントの女性にビールを勧める始末。

 四万十川でとれるヤマトテナガエビ3匹が美しいピンク色をして食器のうえでオブジェみたいにポーズしている。「どうやって食べるの?」と聞くと「丸ごとカリカリって」「目玉だけ残して?」川の幸が食べきれないほど。

 コインランドリーもある。アイロンも貸してくれるそうだが、たたんでしまう。そんなこんなで自宅から電話をもらってしまう。明日の日程はあまり気にせず休む。窓から、四万十川の赤い橋がみえる。
出発前に 第1日目 第2日目 第3日目 第4日目
旅への初夢 東部町→彦根市 彦根市→善通寺市 善通寺市→鳴門市 鳴門市→室戸市
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