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水は生命の源ですが、母親の胎内で羊水に包まれて育つのは、地球上に生まれた生命の歴史をたどっているということです。
塩酸の海だった
地表の岩石に触れて中和され、空中の炭酸ガスを吸った
現在の海になった
しかし、このようにしてできた地球の海は最初は強い酸性だった。塩化水素、塩化アンモニウム、フッ化水素などが水にとけて、塩酸の海になっていたのです。
それが地表の岩石に触れて中和され、空中の炭酸ガスを吸い、今のように変わったのが約35億年前のことです。それから今日まで海水の塩分濃度や成語、ほとんど変化していません。
生命が誕生した場として海が考えられています。それは、人体を構成する元素の組成が海の組成と似ているからです。宇宙や地球表層の組成とはだいぶ異なっています。構成元素の多い方から並べると、順番は多少変わるのですが、よく似ていることがわかります。このように、海の存在と生命の起源は密接に関わっていると考えられています。
さて、約35億年前の海で、アミノ酸、塩基、糖などを素材として単純な細胞の微生物が誕生したと推測されています。ただし、アミノ酸がどこからきたかは不明です。隕石とともに宇宙から釆たのではないかという説もありますが、はっきりとはわかっていません。
このとき、地球上にはまだ酸素がない状況だったから、太陽の光を使って光合成を行なう微生物が出現したのです。この微生物が大量の酸素を空中に放出した。地球の大気の5分の1を占める酸素は、光合成作用によって、炭酸ガスから作り出されたものです。
ところで、生物が海のなかで誕生したのはなぜかというと、太陽の紫外線が強かったためです。約35億年前の地球には、オゾン層がまだ形成されていませんでした。太陽の紫外線がそのまま地表に届いていたのです。紫外線は遺伝子のDNAを破壊するので、地上では生物は生きられないのです
しかし、探さ五〇1200メートルの水中では紫外線が弱められ、そして太陽の光も届くので、光合成をすることができました。浅い海の中で緑色植物は盛んに光合成を行い、大気中に酸素が放出され、その結果はじめてオゾン層が形成されたのです。
ところが、こうして出現した酸素も原始生命体にとつては猛毒だったのです。原始生命体のからだは酸素によって酸化し、次々に滅んでいきました。
しかし、大気中の酸素とオゾン層の成立が、結果的には生命の活動の場をぐんと広げたのです。酸素に適応できる新しい生物が誕生しました。新しい生物は好気性の微生物を自分の細胞内に取り込みました。この微生物がミトコンドリアです。生物はついに酸素を利用できるようになったということです。
オゾン層の成立によって、生物が海中から陸にあがることも可能になったのです。酸素なしで発酵によって、ネルギーを獲得するよりも、呼吸によってエ、みルギーを獲得するほうが効率がよくはるかに成長も繁殖も早いのです。
初に陸に上がっ脊椎動物は、ユーステノプテロンという魚だと考えられています。沼や湖に棲み、体長は60センチくらい。湖や沼は濁ったり干上がったりして、環境の変化が激しいのですが、そんな要件に適応するために画期的な進化を遂げました。水中でも外でも呼吸できる気管をもつようになったのです。そしてひれは大地を踏みしめる足となったのです。 それから5000万年後には、高さ2~30メートルのシダ植物が森林を形成しました。しかし、これらは完全に水のない陸地に生育したのではありません。
水辺でしか生きられない裸子植物が水なしでも種を増やせる被子植物に進化するのは、ずっと後のことです。
このように生物は気の遠くなるような時間をかけて進化を続けてきましたが、人類の祖先である猿人が出現するのはおよそ200万年前のことです。それは、地球の生物の歴史から見れば、ごく最近のできごとということになります。