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腸のトラブルを軽視する誤った風潮
よく、「風邪は万病のもと」などと言われます。ちょっと風邪気味だな、と感じたら油断は大敵です。そのまま放っておくと、ただの風邪でほ済まなくなってしまうこともありますから、用心するに越したことはありません。
ほとんどが大事に至らずに治るのですが、中には重症化するケースもあり、これが重い病気のきっかけになってしまうこともあります。
そして、これは何も風邪だけに限ったことではありません。私たちの身近なところに、ひそある意味でほ風邪よりも恐ろしい「万病のもと」が潜んでいるのです。それほ、便秘や下痢などの腸のトラブルなのです。
ほとんど日常的に便秘をしている、という人も少なくないでしょう。「ちょっと便秘気味なの」という言葉も、最近では女性の間でほごく普通の会話としてかわされます。
テレビのCM でも、美しい女性が登場して紹介する「快適なお通じ」のための便秘解消の薬が、頻繁に登場するようになりました。
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また、下痢についても「昼食に食べた天プラの油がちょっときつかった」「前夜に酒を飲みすぎた」という原因から、お腹をゴロゴロさせながら慌ててトイレに駆け込めば、ともかくその場ほしのげてしまいます。
そして、「下痢止めの薬を飲めばいいや」で済ましてしまう人が多いでしょう。便秘も「下剤を飲めば」などと考えている人が大部分でしょう。
なるはど便秘や下痢は、薬を服用して少し時間が経てば治ってしまうことが多いので、あなどあまり深刻に考えていないかもしれませんが、けっして侮ってほいけません。
便秘・下痢は老若男女を問わず、程度の差はあれ、誰もが経験する「現代病」だけに、意外と怖い病気が潜んでいるものです。
便秘や下痢になるということは、簡単に言ってしまえば、じつは腸内が汚れている証拠なのです。
汚れている、というとイメージが湧きにくいのですが、腹の中に棲みついている、人間のからだによくない影響を与える菌が増えることです。
すると、腸内で腐敗現象が進み、本来持っているはずの腸機能が充分に働いていない、ということなのです。
それが実際にはどんな形でてくるのか。じつは大腸ガンを誘発するのです。
厚生労働省の「人口動態統計」によると、大腸ガンの死亡者は、1972年の9495人から、1982年は1万6390人、1993年には2万7287人と、2017年には5万681人で急増している状態です。
日本人に多かった胃ガンの死亡者数は年々減少しています。今後は、大腸ガンが胃ガンを抜いてしまう勢いですそれだけに腸に対する一般の関心も高まっており、腸のトラブルの代表である便秘・下痢にも注目が集まっているのです。