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水は生命の源ですが、母親の胎内で羊水に包まれて育つのは、地球上に生まれた生命の歴史をたどっているということです。
地球上に生命が生まれてから35億年
生物が生まれてから35億年が経過
最初に生命が誕生したのは海の中
母親の胎内で羊水に包まれていた
地球上に生命が生まれてから35億年が経過しました。最初に生命が誕生したのは海のなかです。私たちが母親の胎内で羊水に包まれて育つのは、地球上に生まれた生命の歴史をたどっているということです。
人間だけに限らず、生物の体液中のイオン濃度の構成比が海水とよく似ているのは、生物が海のなかで発生したことと関係があり、海と同じような絹羊水のなかで胎児が守られているということは、海のなかで長い時間をかけて達成された生物進化の過程と同様のことが、胎内の羊水のなかでも起こっているということになります。
卵子と精子が合体した受精卵は、細胞分裂を繰り返しながら卵管から子宮に達し、子宮内膜に着床して母体から栄養をもらうようになります。その際、母体の子宮内壁と胎児の間でいろいろな機能を媒介する役目をしているのが胎盤です。
子宮のなかには、母体の血液の液体成分が羊膜から染み出します。これが羊水です。胎児はそのなかで、母体の衝撃から守られ、自由に手足を動かしているのです。
羊水の容積はおおよそ3ヶ月で五50ml、5ヶ月で400ml、7ヶ月で750mlと、胎児の成長に合わせ増加していきます。羊水中の胎児は誕生までの間、羊水を出し入れしながら呼吸や水を飲み込む練習をするなど、生まれてから必要な基礎訓練をしているのです。また、妊娠6ヶ月以上になると、胎児は母親の態度や感情を微妙に感じ取り、反応しています。
胎児は、胎盤を通して酸素や栄養ばかりでなく、様々ななホルモンを受け取っています。母親が妊娠中にひどいストレスを受けると、感情の変化に伴うストレス・ホルモンが多量に分泌されてしまいます。それが胎児に移行して、性同一性症候群などの障害をもった子どもが生まれやすくなることが証明されています。
一方、胎児の側からも、母体の感情の安定を促すホルモンが出ています。胎児自身の生活環境を守るためです。このようにして、母体と胎児は肉体的にも精神的にもしっかりつながりあって10ヶ月を過します。そして、その間の重要な役割を果しているのが羊水なのです。
地球上の生命誕生のドラマが、母親の胎内の10ヶ月間に再び展開されているのです。分娩を境に、肺呼吸を行なう個体に変化することも、生物進化の段階を踏んでいることになります。
生まれた頃の記憶の糸を手たどっていくと、水で満たされた風景にたどりつきます。それはひょっとすると、母親の胎内で見た風景なのかもしれないと思うことがあります。水遊びが好きなのは、羊水のなかで過した10ヶ月が、記憶の奥深くにあって、毎日の生活のなかに、知らず知らずのうちに蘇っているせいなのかもしれないと思うこともあります。 記憶として残っていたとしても不自然ではないはずです。