移動運用の機動性向上のためルーフキャリアを利用した

アンテナローテーターのルーフ搭載

目的

タイヤベースによる移動運用時の設営方法では設置が簡便な分
機動性に欠け、特に狭い道路や斜面などでの運用には適さない
設営後に車を移動できることと少しの斜面でも運用できる様に
したい(雷よりの非難も速やかにできる)         

前回はケンプロKR−250程度の小規模なものであったが、
今回はKR−5600B(水平・仰角ローテータ)および大型
のヘンテナシステムを搭載する可能性を模索する      

材料

●ローテーターの乗る台(耐荷重80kgを想定)              
ダイキャスト平板(意外と加工しやすい)300×200×3mm・・・2枚
アルミ角パイプ10×30mm・・・・・・・・・・・・・・・・・・必要長
4mmφネジ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・必要量
ローテータの固定用8mmφ15mmボルト・・・・・・・・・・・・・4個


上記を組合わせて垂直荷重に対する強度をあげていきます
ローテーター固定用ボルトによる凹凸をなくすため厚みを
持たせています                   

●ローテーター台をキャリアに固定する                   
キャリバー(既製品・耐荷重80kg)・・・・・・・・・・・・・・・2本
専用直交クランプ(既製品)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2個
ローテーター台の固定用8mmφ60mmボルト・ナット・・・・・・・4個


ローテーター台をキャリアに固定するためのボルト以外は
接合面に凹凸として関与しない工夫です        
これにより垂直荷重は面的に分散することが予測できます

固定したキャリアバーにローテーター台ごと差し込んで
ボルト固定します                 
水平方向の歪みに対して、車体と一体感を感じるほどの
強度があります                  

●マスト系統を立てる(最終的に車ルーフより約1m、地上高は3.5mとなる)
アルミパイプφ40−2mm厚(仰角側クランプに固定)・・・・・50cm
アルミパイプφ44−2mm厚(水平側クランプに固定)・・・・・80cm
ナット付きボルト10mmφ80mm・・・・・・・・・・・・・・・・1個

●キャリアよりマストステーを張る                     
キャリアバー金具(前回ジャンク)・・・・・・・・・・・・・・・・・4個
ナスカン−8mm穴用(前回ジャンク)・・・・・・・・・・・・・・・4個
ターンバックル片側フック閉鎖(前回ジャンク)・・・・・・・・・・・4個
3.5mmグラスファイバーワイヤー・・・・・・・・・・・・・・・必要長
ワイヤークランプ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16個


この状態ならばノンステーで走行できますが重い
ヘンテナ20×2を安定させるためGF製ステー
により4点固定を施しました         

 

実用

仰角ローテーターがあるので水平精度には気を使いますが今回のシステムでは
抜群の安定性を得て安心してアンテナの設営ができました         


この状態での短距離低速走行ではローテーター固定システムの
満足行く強度と安定性を得ました             

 

プラス仰角ではSが低下するのに対して、マイナス仰角では約7〜15°に
おいて信号強度・了解度の上昇を得ました(低標高の山間地移動でも高標高
の山頂付近の移動でも同じような特性でした)             
特に山岳回折波と思われる伝搬では山との距離が微妙に違う場合にとても有
効に3次元ビーム設定ができ、今後の長距離交信での成果が期待されます 


予測された仰角設定時のシステムへの負荷もなく、安定した
姿勢保持ができるようになりました           
緩斜面での半固定運用も可能となりゲリラ性が増しました 
ヘンテナ設営中にさらに体重85kgの当局が乗っても全く
影響がありませんでした                

※オリジナルなやり方のため、あくまでも参考としてください


UHFアンテナ自作派の必須アイテム

UHF帯電界強度計の製作

ヘンテナ調整時には簡易的なSWR測定により、アンテナインピーダンスと平行整合のみに
こだわりがちですが、給電された電流が効率良く電波となって出ているのかがわからずに、
「聞こえるんだけど飛ばない」アンテナを作っていませんか?             

通過型電力計の針に振れにて簡易的に判断することも可能ですが、ミリオーダーの微妙な調
節中に不正確なパラメーターを入れることは好ましくありませんし、ビームパターンなどの
アンテナ特性も把握することは不可能です                      
99mm、100mmどちらでもSWRが1.10のジレンマをこのアイテムで即解決して
「聞こえるところには必ず届くアンテナ」を製作して下さい              

 

【部品表】


部品名・規格


数量


ラジケーター 100〜500μA



半固定抵抗B型5〜30KΩ



ショットキーダイオード
1SS99または1SS97
(他のものでも代用可能と考えます)

[注]ショットキーダイオードは最近非常に希少となっています



セラミックコンデンサー0.01μF



セラミックコンデンサー0.1μF



適当な大きさのシールドシャーシ



同軸コネクタ
(シャーシに取り付けられるもの)



0.8mmエナメル線(コイル作成用)


必要量


配線用単芯被覆線


必要量


 

【回路図】


 
回路図の記号はJIS規格に準拠していません


ステンレス製の医科用ケースのジャンクを利用した完成品 by JI0TYI
(半固定抵抗の電極は向かって左よりグランド、メーターC、入力C
の順番で結線します)                   
 

JH1MPC@島崎OM直伝の電界強度計は当局のヘンテナライフには不可欠でした 
配線や部品の足を短くする必要がなく、アンテナもN型接栓のものならなんでも使用可
能です(UHF帯に調整されていない受信専用アンテナでもOK)         
同軸ケーブルやプリアンプをつないで交信中に遠距離発信元の電界強度をチェックする
こともでき、比較的微妙な測定値の変動も測定レンジの連続可変でモニタ可能です  

コイルはφ3mmパイプに10回巻付けた0.8mmエナメル線を使用しますが詳細は
長野ヘンテナ研究会製作講習会やEメールで御質問願います            


利得ダウンの原因を排除

ヘンテナメインポールには絶縁体を!

ヘンテナのメインマストの影響が当初より憂慮されていました.特に1列2段での運用時には
メインマストの影響によりSWRが1.5付近を迷走、出力も70%しか乗らず、苦い思いを
しました.                                     

マストへのクランプ部分は強度から考えて金属ですが、メインポールは1λクワッドの縦の辺
の長さである1/6λ未満とし、以下はFRPポール(デベグラス製)に交換し、実験をしま
した.                                       


比較事項


アルミ従来品


FRP改造後


重量


ステンレスよりはるかに軽


アルミより若干重


動揺性


なし


殆どなし


SWR


1.05〜1.20


<1.05


受信/送信


受信>送信


受信=送信


工作の容易さ


ステンレスよりはるかに容易


アルミよりはるかに容易


ビームパターン


尖鋭


不変

上記のように送受信のギャップが減少し、聞こえるところには届くようになりました  
ヘンテナの特性として、耳だけが良いものかと考えていましたがメインポールのセッティ
ングに問題があったのではと推察することもできます.動揺性が増した理由はFRPポー
ルとアルミポールの接合部分のアソビによるもので、今後改良の課題として扱います. 


FRPポールにて運用中(5エレ1λクワッド)



マヘンテナ製作メインページ


材   料

エレメント

成   形

給 電 1

給 電 2

調整・実用

応 用 1

応 用 2

そ の 他

ギャラリ−