=== 給電部製作と給電点設計[2] ===

硬性バズーカ(同軸管シュペルトップ)バランの製作

JR1EAE氏の提供であるハードバズーカは形状維持や
利得再現性にすぐれ、素晴らしい調整結果を示します  
給電部の絶縁には先項で紹介したブッシュ方式を採用して
おり、非常に簡便にセッティングできます       

 

 

-----------------キットの製作方法-----------------

嵐山ラボより送られてきた(受注生産のため少し時間がかかります)キットに
製作説明書が同梱されています(PDFファイルをインターネット経由で手に
入れることもできます)                        
ここでは製作説明書にてやや分かりにくいところを多少補足しておきますので
必ず製作説明書を見ながらこのページの内容を参考にして下さい      

@:5D−NJ(防水プラスチックキャップ付き)   
A:給電点加工済み8φ真鍮パイプ(同軸管コールド側)
 B:10φ真鍮パイプ(スリーブのアタッチメント)   
C:11φ真鍮パイプ(スリーブ)          
D:2.5φ真鍮棒(中心コンタクト)        
E:3φ真鍮パイプ・要再裁断(同軸管ホット側)   
F:加工済み圧着端子(同軸管ホット側)       
G:3φシリコンブッシュ×3            
H:5φシリコンブッシュ×4(給電点取り付け加工用)
I:4φシリコンブッシュ×2(給電点取り付け加工用)

部品は以上の10点ですので製作前に確認しておきます(寸法のばらつきは
殆どありません)                          

真鍮のきれいなハンダ付けのためにフラックス(腐食系溶剤)が付いてきま
すが揮発性・毒性がありますので小児の手の届かない場所に保管して下さい
筆者は以下の製品を愛用してます、御参考まで・・・          

<< スリーブ部分とバズーカヘッドの製作 >>

 

理論的には軟性バズーカと同様ですが寸法の決まったせっかくのキットです
から正確に作りましょう                       


上図のようにバズーカヘッドぎりぎりにビニルテープでスリーブを固定する
ための加工をします(5〜6回巻くと適当な厚さとなりますがスリーブを通
して(11φ真鍮パイプ)カットアンドトライして下さい)       

上記を行った後で10φパイプを11φパイプの中に約2mmたたき込んで
おきます(スリーブの電気的ギャップを保つアタッチメントとなります) 

このとき、たたき込む前のバリ取りは不要ですが、たたき込みすぎると復旧
は困難です                             
たたき込んだ後に、丸棒ヤスリで内側のバリをとります(こうすると次の工
程でスリーブをスライドさせるときにたたき込んだアタッチメントがずれま
せん)                               


反対側から10φパイプのアタッチメントがNJ側になるようにスリーブを
スライドさせます(このときスリーブを回しながら入れるとスムースです)


スリーブをバズーカヘッドのコールド給電点の最下端(赤矢印)から1mm
の位置まで進め、余ったビニルテープをカッターで切り取った所です   
(スリーブと給電点コールド側電極が導通しないように!)



NJに8φパイプを入れて、ハンダ付け(フラックス使用)したあと、ス
リーブの接合部分もハンダ付け(フラックス使用)しますが防水用プラス
チックキャップを通し忘れないように注意します           

<< 中心コンタクト(ホットサイド)の製作 >>


3φ真鍮パイプは330mの長さがありますので305mmくらいに切り
つめます                             

5mmのアソビをつくった理由は3φ真鍮パイプを切る前にお教えします
剪断時の工具はペンチ等でしょうから切り口は必ず潰れてしまいますので
潰れた部分を平ヤスリなどで丁寧に削って2.5φ真鍮棒が入るようにし
ながら最終的に300mmとして下さい(罫書針の先を突っ込んでも結構
ですが決してパイプの太さを変えてしまわないように注意)      

製作説明書にとても解りやすく図示されていますが注意点としては上図A
の2.5φ真鍮棒はBより15mm出した状態でハンダ付けし、同軸コネ
クタの中心コンタクトに後でハンダ付けします            
この寸法は真鍮パイプの同軸コネクタ側の終端で3φパイプより2.5φ
真鍮棒に移行し、50Ωのインピーダンスを保って中心コンタクトするた
めには重要なものです                       
E点での電極は説明書の要領で必要長を差し込みハンダ付けします   

シリコンブッシュの位置は説明書の寸法通りですがE点ではバズーカヘッ
ドぎりぎりに固定して水滴付着などによるインピーダンス変化を防ぎます
強力な接着剤(ソニーケミカル社製スーパー88など、アロンアルファで
は役不足)を使用して同軸管内に挿入するときにずれてしまわないように
してください                           

上記を回転させながら同軸管内に挿入し、中心コンタクトをハンダ付けし
ます                               


ウレタン樹脂を入れ忘れないようにしてNJを完成させて下さい(防水
プラスチックキャップも回すように入れるとうまくいきます)    


全工程30分以内にて再現性バッチリの50Ω硬性バズーカの完成です
(給電点の間隔は経験上18〜22mmに可変しますが、1度曲げ工程
を施したら破損防止のため絶対に再施行しないで下さい)    


-----------------給電点への取り付け方法-----------------

完成した同軸管(硬性)バズーカを30φ角パイプ使用の1λヘンテナ給電部に
接続します                               


参考イメージ図
黒:ブーム(30φ角パイプ)
黄:4mmφナベネジ    
 青:シリコンブッシュ(2種類)
赤:バズーカ給電点     
緑:輻射器給電点      

[1]間隔20mmの6mmφ固定穴を給電点に作成し、5mmφのシリコン    
ブッシュを両側からはめておきます(参考イメージ図の青色部分)   
 

4mmφ長さ40mmのネジを入れてみると、ブームとは絶縁されていることが
わかります                               
ブッシュの構造によりネジ穴に金属を固定した場合、ブッシュの襟の部分によっ
て、約1mmの絶縁間隙ができることも確認してください          

[2]ネジを抜いて、以下の写真のように導波器給電部、バズーカの順で重ねた   
 ものを4mmφシリコンブッシュにて5mmφシリコンブッシュの穴に固定
します                              
 ネジを通した状態でもできますが通さない状態の方がやりやすいと思います
(このとき、シュペルトップの中心線側を上側の給電点としてください)

[3]ネジを通して4mmφナットにて固定しますが、締め過ぎには注意です    
(シリコンブッシュが破損することがあります)

[4]シュペルトップの同軸コネクタ部分を前方に出すときは同軸管の完全固定   
の前に第1給電部の、後方に出すときには反射器のブームへの固定を先に
行ってください(ネジが締められなくなる恐れがあります)      

くれぐれもけがをしないように細心の注意をはらいましょう

希望者には杉田氏より材料をわけていただけます(キット製品)

JRIEAE's Homepage

http://homepage2.nifty.com/eae/

 



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