エレメントの製作
寸法は設計図のとおりです
[o:外寸、i:内寸、c:ネジ中心寸]
エレメントは以下の4つの部分に分かれます。他のエレメントに
おいても同様ですので理解して下さい。
・赤:エレメント上部(頂部・側部から成り、曲げて整形)
・青:エレメント底部
・黄:エレメント給電部(輻射器以外では支持部と呼びます)
・緑:エレメント調整部2本
輻射器・反射器・第1〜3導波器
(上部の曲げはA→B→Cの順に行うとよい)
第4〜13導波器(調整部がない)
固定シロを15mmとるのでそれを含めて幅Xmm・高さYmm
のエレメントの上部は長さX+Y+Y+15+15mmの、底部
はそのままXmm、調整部はY+15+15mmが2本必要とな
ります。
具体的な部品寸法は以下のとおり
[単位:mm]
|
X
|
Y
|
上部
|
支持部
|
反射器
|
735
|
125
|
1015
|
155
|
輻射器
|
695
|
115
|
955
|
145
|
第1導波器
|
664
|
110
|
914
|
140
|
第2導波器
|
644
|
105
|
884
|
135
|
第3導波器
|
624
|
100
|
854
|
130
|
第4〜第8導波器
|
408
|
100
|
638
|
130
|
第9〜第15導波器
|
398
|
100
|
628
|
130
|
第16〜第20導波器
|
386
|
100
|
616
|
130
|
第21〜第25導波器*
|
374
|
95
|
594
|
125
|
第26〜第30導波器*
|
363
|
90
|
573
|
120
|
*:予測理論値(実験中)
罫書きは罫書き針にて行うと正確にできます。精度は1mmです
から、マジックインキ等では太すぎて難航のもとになります。部
品の切り出しは金切り鋏かチェーンカッターで行うと手軽です。
写真のように万力、ハンマーにて曲げます。経験上、1個所曲げ
るたびに外寸を計測します。肉厚と曲げて延びた分(直角部分の
曲げでおよそ1.5mm展延を計算に入れ、差し引いて下さい。
万力の仕組み上、90°以上曲がってしまうのでハンマーの肩な
どで整形します。直線的に一様に叩くのが肝心です。特に頂部の
側面(約3.5mm強)および、調整部は上下の肉厚を差し引か
ないと(約5.5mm強)外寸通りぴったりいきません。
エレメント以外はS字型の支持部1つ、C字型の調整部2つをつ
くるので、曲げ方向を間違わないようにします。
下図は調整部で高さYmm外寸の内側に来るため、頂部厚2mm
底部厚2mmと展延による1.5mmの変化を差し引いて
Y−5.5(理論上の内寸)mmに罫書きを施行したところ。
各調整部の罫書き寸法は以下のとおり
[単位:mm]
|
頂部側面
|
調整・支持部
|
反射器
|
121.5
|
119.5
|
輻射器
|
111.5
|
109.5
|
第1導波器
|
106.5
|
104.5
|
第2導波器
|
101.5
|
99.5
|
第3導波器〜
|
96.5
|
94.5
|
底部は1mmほど長めに切り出し、精度0.2mmまで平やすり
にて寸法を正確に出します。大切な工程です。
部品の混乱を避けるため曲げ工程の終わった各部品には名前を書
きます。
イレクター部品との接合に関しては「成形」をご覧下さい
輻射器・反射器・第1〜3導波器のネジ固定位置
第4〜13導波器のネジ固定位置
上・底・調整部の穴開けと組み立てに関しての穴位置は部品外縁
〜穴中心10mmに統一しました。下図のように電動ドリル・ボ
ール盤などで穴を開けます(φ4mm)。開ける穴は反射器〜第
3導波器で1エレメントあたり6カ所、第6〜13導波器で1エ
レメントあたり4カ所です。しかし反射器〜第3導波器でも調整
部は穴の位置が決まっていませんので上部と底部および支持部の
とりつけ穴、計4カ所に穴を開けます。支持部の長辺は必ずエレ
メント中央に来るよう穴位置を決めて下さい。この際、支持部の
S字方向、イレクタ部品の位置は統一して下さい。尚、エレメン
トの中央位置は底部の寸法が高精度のはずですので、底部にて決
めて下さい(許容精度<1mm)。
工程中に歪みが発生しないように部品の扱いには充分注意して下
さい。意外に柔らかいものですが、組み立て終了時には強度が出
ます。4mm鍋ネジで各部品を接合し、完成です。
支持部の位置の調整方法に関しては「調整と実用」をご覧下さい