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ビタミンは個人がライフスタイルに合わせた摂取方法がベスト。ビタミンの基礎知識に加えてどんなビタミンを消耗しやすいかを突き止めて効率よくビタミンを摂取する。タバコを吸う(喫煙者)のためのビタミン摂取方法です。
たばこを吸う機会が多い人のライフスタイルに合わせたビタミン摂取方法
たばこを吸う場所は非常に限られてきて、肩身の狭い思いをしているスモーカーも多いはずですが、なかなかやめられないのが本音です
アメリカでは喫煙者に1日に100 mgのビタミンCを勧告
たばこの煙に含まれる活性酸素やフリーラジカルを消去するため、喫煙者の体内では多量の抗酸化ビタミン類が消費されます。
たとえばヒトの血漿にたばこの煙を吹き・つけると、血漿中のビタミンEが顕著に減少することが試験管内実験で確かめられています。
喫煙がビタミンCの体内貯蔵量に与える影響はよく知られています。 体内には1500mgほどのビタミンCが蓄えられ、それを超えるCを摂取すると、尿中に排泄されるのが通常の状態ですが、たばこを1日20本吸う人では体内に貯蔵されるCが1000 mgあるいはそれ以下に減ってしまいます。
20本で500mgなので、たばこ1本につき25mgのCが消費されるといわれるゆえんです。 米国などでは喫煙者に1日100mgのCの摂取を勧告しています。
たばこを吸う人でも血中カロチン濃度が高い人は肺がんが少ない
細胞膜は酸化に弱いn-6系不飽和脂肪酸を多く含みますが、肺や気道の粘膜などでn-6系不飽和脂肪酸の酸化が起こると、呼気中にべンタンという物質がふえます。
呼気ペンタンの測定は体内の脂質過酸化の指標の1つになります。喫煙者は非喫煙者にくらべ、呼気ペンタンが有意に高く、喫煙に伴う活性酸素やフリーラジカルによって肺などで脂質過酸化が推し進められていることがうかがわれます。
ところが、その喫煙者が1日20mgのβカロチンを4週間つづけて摂取したところ、呼気ペンタンの排出量が非喫煙者に近いレベルまで下がってきたのです。
1日の喫煙本数や血中カロチン濃度と、肺がん発生率の関係を調べた研究によると、喫煙本数が同じなら血中カロチン濃度の高い人ほど、肺がんが少ないことが明らかにされています。
たばこを吸わず血中カロチン濃度が高い人にくらべ、たばこを1日20本以上吸って血中カロチン濃度が低い人が肺がんになる率は7.3倍も高くなっています。しかし、注意して見ると、たばこを1日20本以上吸う人でも血中カロチン濃度が高ければ、たばこを吸わず血中カロチン濃度が低い人よりも、肺がんになる率はむしろ低く抑えられています。
これらはカロチンの抗酸化作用が肺がんなどの予防に役立っている証拠といえます。
フィルターに水をつけると活性酸素の量を減らせる
喫煙者はよく肺がんを心配しますが、肺がんを免れても長年の喫煙は高率で肺気腫を招きます。肺気腫は、肺が弾力を失って空気がたまり、慢性的な呼吸困難に苦しむ病気ですが、肺胞壁の弾性線維の破壊にはフリーラジカルが深くかかわることが知られています。
たばこの煙に含まれるスーパーオキシドは、フィルターに水を含ませることで消去できることが判明しています。どうしても禁煙ができないかたには、肺障害の予防のため、ビタミンC、E、βカロチンの3種類の抗酸化ビタミンをサプリメントで摂取するとともに、フィルターに水をつける方法をぜひおすすめします。