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ビタミンは個人がライフスタイルに合わせた摂取方法がベスト。ビタミンの基礎知識に加えてどんなビタミンを消耗しやすいかを突き止めて効率よくビタミンを摂取する。日常的にスポーツで体を動かす人のためのビタミン摂取法です。日本人は胃弱の人が多いと言われていますが、どのようなビタミンをしっかり摂ればいいのでしょうか?
胃弱の人の人のビタミン摂取方法
胃の調子がいまひとつという人のためのビタミン。
胃の中でニトロソアミンの生成を高めるピロリ菌
慢性胃炎や胃潰瘍の原因として、ピロリ菌の感染が注目されています。ことに老人に多く見られる慢性萎縮性胃炎はピロリ菌感染が原因であることが明らかになりました。
慢性萎縮性胃炎は胃がんの前がん状態とされ、正常な胃粘膜にくらべて胃がんの発生リスクが5.7倍高いといわれます。
ピロリ菌の感染で炎症を起こした胃粘膜では絶えず多量の活性酸素が発生しっづけていますので、感染が何年にも及べば、活性酸素の障害作用によって発がんのリスクが高まるのです。
もう1つ、胃がんの原因として強く疑われているのがニトロソアミンという発がん物質です。
肉や魚を食べると、そのタンパク質が胃で消化される際、アミンという物質ができます。日本人が好む魚の干物やたらこ、すじこなどもアミンを多く含んでいます。同時に野菜、果物、ハムなどの食肉加工品、飲料水などで亜硝酸を摂取すると、胃の中でニトロソアミンが生成されることが実験的に示されています。ピロリ菌は胃液の成分組成を変化させ、このニトロソアミンの生成量をふやすことも明らかにされているのです。
胃がんは日本人に最も多いがんです。近年は減少傾向にあるものの、現在も男性の部位別がん死亡率の第2位、女性の第1位を胃がんが占めています。その胃がんの発生にこのようにピロリ菌感染が深くかかわっていることが明らかになりました。
米国では大腸ガンの予防にビタミンCを1日1~2グラム摂取する
胃潰瘍などの治療には従来の酸分泌抑制剤に加え、抗生物質による除菌療法が試みられていますが、ピロリ菌の除菌に有効な抗生物質の使い方はいまだ確立されていません。
わが国では40歳以上の実に75%前後がピロリ菌に感染しているともいわれ、抗生物質を安易に処方することはためらわれているのが現状です。ピロリ菌に感染した胃粘膜では、活性酸素が絶えず発生していることから、抗酸化ビタミンの需要が高まつていることが想像されます。その活性酸素が胃粘膜障害の直接の原因ですので、最善の予防策として、抗酸化ビタミンの摂取が有効と考えられます。
ピロリ菌に感染した胃壁を調べると、ビタミンE濃度の低下が認められます。また、スコットランドで行われた治療経験によると、ピロリ菌感染者の胃液のビタミンC濃度は、非感染者にくらべ、著しく低下していました。感染者19人のうち11人が抗生物質による除菌に成功しましたが、除菌後は胃液のビタミンC濃度が回復したとされています。
ピロリ菌感染者では、胃粘膜に発生する多量の活性酸素の消去にピタミンC、Eが働くため、胃液や胃壁での濃度が低下しているものとも考えられるでしょう。
ビタミン濃度が低い状態のままなら、活性酸素が胃粘膜を傷めつけ、発がんをも招きかねません。ビタミンCやE の摂取が必要です。摂取されたビタミンCは、胃液中で亜硝酸と反応します。その反応はアミンよりもすばやいため、1回の食事で50100mgのCを摂取すると、ニトロソアミンの生成が抑制されることも知られているのです。
米国では大腸がんの原因としてニトロソアミンが疑われ、大腸がんの予防のために多くの人々がビタミンCを1日1~2g摂取しています。
血中βカロチン濃度が高いと慢性萎縮性胃炎になりにくい
国立がんセンターが40代の男性を対象に、慢性萎縮性胃炎の羅漢率と食生活の関係を調べたところ、にんじん、かぼちゃなどの黄色野菜を食べる頻度が週1日未満の人では羅漢率が26% にのぼったのに対し、黄色野菜をほとんど毎日食べる人の羅漢率は9%にとどまっていました。
週1日未満の人が慢性萎縮性胃炎になるリスクを1とすると、ほとんど毎日食べる人のリスクは0.3に抑えられていたのです。
黄色野菜の黄色は主にβカロチンの色ですから、黄色野菜をよく食べる人は血中βカロチン濃度が高く保たれていることが予想されます。そこで、血中βカロチン濃度の高低で対象を4グループに分け、慢性萎縮性胃炎の雁息率との関係を分析したところ、血中βカロチン濃度が高いグループは低いグループにくらべ、羅漢率が0.4に抑えられていることが判明しました。
さらに興味深いことに、ピロリ菌感染者だけを対象にした分析でも、全く同様の結果が出ています。ピロリ菌に感染していても、黄色野菜を毎日のように食べ、血中βカロチン濃度が高く保たれているグループでは、慢性萎縮性胃炎の羅漢率が低く抑えられていたのです。
これは胃粘膜に補われたβカロチンが、ピロリ菌感染によって発生する活性酸素の消去に働き、胃粘膜の炎症の進展を阻止しているためではないかと考えられています。
胃粘膜に多量の活性酸素を発生させるのはストレスも同じです。ビタミンC、E、β カロチンの摂取は、ストレスやピロリ菌感染で大量に発生する活性酸素の障害作用から胃粘膜を守り、胃がんのリスクをも軽減することにつながるのです。
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