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ビタミンは個人がライフスタイルに合わせた摂取方法がベスト。ビタミンの基礎知識に加えてどんなビタミンを消耗しやすいかを突き止めて効率よくビタミンを摂取する。安眠、快眠出来ない人のためのビタミン摂取法です。不眠に悩む日本人は5人に1人です。
睡眠不足の人のためのビタミン
ぐっすり眠れない人のためのビタミン摂取
睡眠・覚醒のリズムと体温のリズムが同調しなくなる
私たちの1日は、夜は眠って休息をとり、昼は起きて活動することの繰り返しで正常に成り立っています。
夜、ぐっすり眠るためには、睡眠・覚醒のリズムに体温のリズムが同調していることが必要です。昼は体温が高くなることで体が活動に適した状態になり、夜は逆に体温が低くなることで体は休息に向かうわけです。
この同調は、視覚から得る光(今は昼か夜か) や社会のルール(午前9時始業など)によって維持されています。これらを同調因子と呼んでいますが、もし同調因子が失われたら、睡眠・覚醒、体温などのリズムがどう変動するかを調べる実験が、かつてドイツで行われました。
20メートルほどの地下室を掘り、トイレやシャワー、キッチンを設け、時計がなく、外界から遮断されたその部屋で、被験者の学生が8日以上生活したのですが、結果は、睡眠・覚醒リズムは25時間を1周期として動き、生活時間が毎日1時間ずつ遅れ始めたのです。
体温リズムも規則的な周期を描きましたが、その周期は、日増しに睡眠・覚醒リズムからずれました。この現象を「内的脱同調」と呼んでいます。 地下生活ほど極端ではないにしても、現代の都市生活は内的脱同調を起こしかねない環境にあふれています。夜の室内には明るすぎる照明がともり、コンビニエンスストアなど24時間営業の店がふえ、昼夜のボーダーレス化が進んでいます。
最近はフレックスタイム制を導入する企業もふえ、個人の生活時間が変化して同調因子が昔のように機能しにくくなっているのです。 こうした環境が「睡眠相遅延症候群」と呼ばれる睡眠障害の原因とされます。睡眠・覚醒リズムが毎日約l時間ずつ後ろへずれ、夜、ベッドに入ってもなかなか寝つけません。内的脱同調のため、活動すべき日中に体温が下がり、仕事のエンジンがかからないといったケースです。
海外出張や海外旅行も、内的脱同調を引き起こす要因となります。いわゆる時差ボケは、睡眠・覚醒リズムと体温リズムなどのずれから起こる典型的な症状で、「非同期症候群」と呼ばれることもあります。
時差ボケの早期解消にビタミンB12が有効
末梢神経障害の治療に応用されているビタミンB12が、中枢神経への効果でも期待を集めています。
活性型ビタミンB12 (メチルコバラミン)1日1500~3000 ㎍の大量投与によって、睡眠相遅延症候群が改善されたケースが報告されています。 同様に、時差ボケの早期解消にもメチルコバラミンの大量投与が有効といわれます。これは仮説の段階ですが、1つの可能性として、メチルコバラミンが脳内でメラトニンというホルモンの受容体の働きを高めることが推定されています。
メラトニンは夜間に分泌され、脳の活動に抑制的に作用する天然の精神安定剤ともいうべきホルモンですが、昼夜のボーダーレス化が進んだ現代の生活はメラトニンの分泌を抑えがちです。ビタミンB12には、その少ないメラトニンを脳が有効に利用するのを助ける作用があるのかもしれません。夜の寝つきが悪く眠りの浅い人、また海外出張や海外旅行の機会が多い人は、ビタミンB12の多めの摂取を試してみてください。